ALのプライベートPARTY

80年代半ば、代官山"al"ではよく石津謙介主催のプライベート・パーティが開催されていた。alは「バートン・ウッズ」 というツイード&フランネル中心の重衣料ブランドの直販店として、石津謙介がてこ入れしていた店。
パーティのある日は、昼から狭い店内を片付けて、自ら店内でかいがいしく準備する。銘酒や曰くのある料理を数々用意し、花を飾りつけ、テーブルをセットされ、品書きを自ら書くなど、実に楽しげだった。料理の手伝いは、元VAN大阪の高浜幸一、本間al店長とデザイナー近藤年子先生。元VANの社員も何人か接待係としてお手伝いしていた。お客様の顔ぶれはその都度さまざまだが、高木社長夫妻、石津祥介、岡野興夫、牧尾裕輔、発智達夫、くろすとしゆき、安田部長、元石津社長秘書の林田武慶など元VAN JACKETのOB多数に、穂積和夫夫妻、アダムス井出社長、カメラマンの林田昭慶、VANグラフティの馬場啓一、講談社の花房孝典、かめい東京の亀井ママ、真言宗御室派道明寺門跡の六条照瑞尼、若き日の市川団十郎、西の木の栗崎昇、ファッション評論家 林邦雄、帽子デザイナーの平田暁夫先生など、各方面からさまざまで、謙介の交遊の幅広さと、サービス精神溢れるパーソナリティをよく表していた。こういう時の石津謙介の機嫌の良さと、人を楽しませる話題の豊富さはまた格別で、時間の経つのを忘れるほどの楽しいパーティが夜更けまで続いていた。(一部敬称略)